疲れる理由
2017-05-21


義姉とつきあって帰った後、なんともいえぬ疲労感、消耗感。
これは、見知った感じだ。
母がまだ、外出可能だった頃、
母と一緒にランチに出かけたりしたが、まさにそれと同じ。

母の楽しみだったので、
子どもたちが仕事や引っ越しで、一緒に出掛けることができなくなっても、私一人が母と同行していた。
子どもたちが付き合ってくれている時は、私も楽しかった。
でも、母と私の二人だけになると、
私はまったく気が抜けない状態になった。
母の意向、母のテンポ、母の体調が、すべてを支配する。
母はもちろん、自分が支配しているとは思っていないし、そうしたいとも思ってはいない。
が、母にこちらに合わせてもらうわけにはいかないのだから、
結局、すべて母に合わせて行動することになる。
自分のことは全部横に置いてある。
そして、母の足取りに合わせ、
母の意向を尋ねつつ、数時間を過ごす。
なんだか、自分の生理的な欲求も封じ込めてしまっている感じだ。
家に帰るとぐったりしていた。

今回、義姉と過ごす数時間が、同じなのだ。
彼女の意向、彼女のテンポで、すべて事が運ぶ。
義姉の場合は病院などに連れて行く、という目的があるから、
彼女を誘導するというさらに高度なテクニックも使う。

無事に目的を果たせたら、
挫折したときよりは気分は楽だが、
それでも、相当な疲労感、消耗感がある。

S姉はまた違うストレスをかかえるのだろう。
昨日は、午前中に電話がかかってきた。
S姉の特徴は、どういう趣旨で電話をしてきたのか、という前置きがないこと。
用事がなければ、特に連絡を取り合う習慣はないので、
何か用事のはずなのだが、一向に用事が出て来ない。
木曜日に病院に行けたかどうか、は開口一番に聞いてきたので、
それが目的だと思って説明をするが、ほとんど興味なさそう。
ん? 何の電話?
彼女の話は、主語と述語と目的語の順序がごちゃごちゃになるので、
聞きづらいのだが、一生懸命、訴えるようにしゃべる。
結構、長く話していたが、電話を切ってからやっとわかった。
要するに、前日の真夜中に、
義姉が、S姉に電話をしてきて、
「お腹が空いたから、食べるものを持って来て」と言って来て、
呆れたり腹が立ったりした気持ちを聞いてほしかったようだ。
友だちには聞いてもらうこともあるようだが、
実際に、義姉の様子を共有しているのは私なので、
そのあまりの日常からの逸脱ぶりと、それによる自分の災難について、共感してほしかったのだろうと思う。

出かける予定があって、
段取りを考えながら過ごしていた時間帯だったので、
S姉の繰り返しの訴えに、私の声のトーンが落ちていったかもしれない。
それと、彼女のなんとなく興奮したようなトーン(それは癖みたい)というのに私が乗れなくて、
私と話していると、調子は狂ってくるだろう。
「血もつながってないのに、ごめんね」と、最後は言いながら電話が終わった。
いや、そんなことを言わせたかったわけではない。
「いえいえ、これもご縁だから」と答えつつ、
S姉との会話にも、軽い疲労感。
S姉は認知に障害もなく、まめによく動くし、そこは問題がないのだが、
感情のコントロールがうまくいかないことがあるようだ。
それは、義姉が、認知症になってからも、何度も何度も、
S姉が起こす癇癪について語り続けてきたことからも、想像がつく。
義姉はむしろ、認知症になってから、S姉の癇癪持ちについて、遠慮なく言うようになった。
それまでは怖がって我慢していたのに、急に堰が切れたようになり、
S姉に気を使わずに、面と向かって文句を言うようになった。
それが、S姉にとっては、急に反抗的になった妹に見えるらしい。
だから、S姉は憤懣やるかたない、という感じで、電話をしてくるのだ。

続きを読む

[日常]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット